メンバーの声


ジェンクス氏への感謝も忘れずに (福島 俊彦)

 515日、Darrel Jenks氏というわれわれ共通の友人を肺がんで失いました。米国国務省日本語研修所の所長を務め、桜寄贈100周年の今年は横浜を挙げてお祝いしようと、横浜で一番熱心に呼びかけていた一人だったことを絶対に忘れないようにしましょう。

 Thelma夫人が「外交官で、ドラマーで、9カ国語を操った夫」と言うように、その卓越した語学力で日本人のようにわれわれに接してくれたジェンクスさん。527日には野毛山公園に、里帰りした桜も植樹され、これからの50年、100年につながるモニュメントになりましたが、毎年桜が咲いたら、100年前の桜寄贈に尽力したシドモア女史や高峰譲吉博士などともに、ポトマック河畔から60㎞北東のボルチモアに眠るJenks氏のことも思い出したいものです。

 


「市民の会」の思い出 (横浜日米協会 中田 邦彦)

 アメリカの首都ワシントンを流れるポトマックの入り江であるタイダルベイスンの湖畔に日本の桜が日米友好のシンボルとして植樹されて99年目の植樹記念日となる2011年3月27日、私たちの市民の会は産声を上げた。

 過去の手帳を紐解くと、全会員による「全体企画会議」と称した会議だけでも年間16回と、月1回以上のペースで開催している。会の名称に「シドモア桜」を入れるべきか否かの是非を巡っての白熱した議論をはじめ、植樹記念日100日前や横浜港からの出航日といった機会を捉えてのレセプション等、懐かしく思い出される。

 このほか、2012年全米桜祭り視察ツアーとして実際に桜の原木を視察し、今年5月27日の野毛山公園の配水地での里帰り桜の植樹式でクライマックスを迎えるなど、市民のパワーと実行力に満ちた市民の会だったなぁ、と長く思い出に残るに違いない。

 今、振り返ってみると、リンカーン大統領も引用したといわれる14世紀に生きたイギリスの聖職者ジョン・ウィクリフの言葉を捩るならば、「市民の市民による市民のための」手作りの会合であったと思う。それと同時に、会の発足の背景には横浜の山手にある米国国務省日本語研修所の故ダレル・ジェンクス前所長の尽力があったことも、記憶に留めておくべき事実である。

 


「継承」していくこと (横浜日米協会 篠原 里奈)

 横浜日米協会の事務局を担当するようになってちょうど1年が過ぎようとしていた2010年9月、同協会の理事会の席で私は初めてエリザ・シドモア女史の名前を聞きました。今までシドモアさんの名前だけでなく、桜が横浜港から出航したこと、横浜に拠点を構える企業が多く関わっていたこと、今日、日本に咲いているハナミズキは、桜のお礼にアメリカから贈られてきた子孫達であることなど、日本人として、そして横浜で勤務する者として知っておくべき歴史を知りませんでした。

 2011327日の市民の会発足以降、同会の一員として、今年2012年の100周年に向けて何度も会議を重ねたり、会員の方々と交流を深める事業を開催したりと、私のように今までシドモアさんについて知る機会がなかった人達や今後の横浜とアメリカの友好関係を築いていくであろう若い世代に、微力ながら周知し、継承することができたのではないかと思います。

 そして今年3月無事に100周年を迎え、527日「里帰りの桜 植樹式」で野毛山に里帰りした桜を植樹した際、この小さな苗が大きな桜に育つ頃、「シドモア桜200周年・里帰りを喜ぶ市民の会」が発足するような、そんな素敵な未来がくればいいなと思いました。

 


「シドモア桜100周年 里帰りを喜ぶ市民の会」活動の感想 (小山 実)

 この会が発足した当初は、色々な企画が本当に実現できるのかと半信半疑でしたが、企画したイベントが次々と成功していくのを見て驚きを感じつつ活動を楽しみました。

 普段会えない人にも会え、普段行けない大使館やワシントンでの桜まつりとかにも参加でき、どんどん繋がりが広がって行き、本当に充実した1年半でした。恐るべき市民のパワーを体感しました。 大半のイベントに参加し記録写真を残せたことも大きな成果の一つでした。

 私が住む、栄区にも記念すべき「里帰り桜」を入手できたことは最大の成果と思い出になると思います。この桜を通じて地域の輪を広げていくことや桜の成長を見守るのも役割の一つかと思います。

 大内会長や藤澤事務局長をはじめ皆さんに本当に感謝します。

 ありがとうございました。

 


「シドモア桜100周年 里帰りを喜ぶ市民の会」によせて (寺井 由紀子)

    初めてこの会に出席させて頂いたのは、会長を務められた大内えりかさんに さりげなくお誘いを受け何となく付いて行ったというのが、事の始まりでした。

 それから2度3度とこの会への参加をを重ねるごとに 私は、日本とアメリカの懸け橋の礎を築くまでに至った エリザ・シドモア女史や 高峰譲吉博士について学ぶ事から始まりましたが、そのうち100年前に抱いたシドモアさんの思いが、100年経った今 大勢の人々に感動と喜びを与えている事に 改めて驚きを覚えたのと同時に この会の意義が、私なりに見えてきたように思えました。先日めでたく野毛山にて この会の最終章となる桜の植樹式を無事に終え感動致しましたが、また新たなスタートのようにも思われました。

 


2006年に植えられた横浜市中区元町にある里帰り桜
2006年に植えられた横浜市中区元町にある里帰り桜